お菓子なみかん

お菓子を中心にゆるりと探求する

シャトレーゼは、なぜ「おいしくて安い」のか

2021年9月発刊『シャトレーゼは、なぜ「おいしくて安い」のか』を読書。
会長がはじめて語った、勝ち続ける秘訣と今後の戦略。国内600店舗以上、海外110店舗、10期連続売上増。社是が「三喜経営」。お客様、お取引先様、社員に喜ばれる経営、です。お客様第一に考え、何事もお客様目線で考えること。それ故、上場しません。

絶対に人の悪口を言わない母からは愛情を、仕事に厳しい父からは働く意味を受け育つ。

郊外中心の時代への確信と戦略を独自性で。それから首都圏へ、海外へと展開していきます。
目指したのは「おいしくて安い」であり、「安くておいしい」ではない。
お客様が求めているのは、おいしさ。
原材料を下げて利益を上げるのは危険なやり方で、安い材料を使い値段を落としたり、おいしさよりも保存がきくことを優先するのでなく、それ以外で工夫するのが方針(お客様目線)である。
素材へのこだわり。水、牛乳、卵、苺、小豆、よもぎ、米など、無添加や減添加、少子高齢化なので体によくて安全なおいしいものを。アイスにも賞味期限をつけ、トレーサビリティを。
会社が、山梨にあるという強み。

プレジデント制(専業体制)。

おいしさを科学で。
卵・牛乳・小麦粉不使用への挑戦、糖質カット。

売れ筋商品の進化を止めない。

広告宣伝費をかけない。

定性調査(お客様の生の声)の実施。

ブランドイメージの整理。

オンラインで新商品試食会。

クーポン券なんかつけない。
SNS対策で方針がUGCの創出と増加、オーガニック投稿を主としたエンゲージメント率の向上。

宣伝感を出すのははNG。

UGCの発生率が日本一になったそうです(ツイッター社調べ)。

プレミアム「YATSUDOKI」のケーキは400円からで、これは都市部の高級洋菓子店と比べると半額以下の価格。銀座の真ん中で60円台のアイスが買えてしまうという。「おいしくて安い」ことと「高いから価値がある」ギフト。この相反する価値観をクリアできたのが、[YATSUDOKI」挑戦での結果です。

 

今後は和菓子の需要が増加する見込み。だが和菓子の後継者は減っていく、なら国内では和菓子を展開。では洋菓子は、ときて海外展開と続きます。


日持ちの短さは異常なことではなく逆に新鮮で安心できる証。
なぜ、こんなに安いのかと聞かれると、「もちろん企業努力はしてますが、他が高すぎるんですよ」と誇らしげに仰る。日本というブランドに頼った金額ではなく、日本の品質そのままの商品を素直な価格で出していたことが結果として現地の方々に受け入れられたのではと語る。

宗教的な理由で(お酒NG)食べれない人にもと今後に挑戦。「世界のシャトレーゼ」が見えてきています。


ビジネスは徹底した現場主義で、ゴルフ場やリゾート、ワイナリー事業もありますが、ワイナリーは元々会長の父親がぶどう園とワイナリーを手がけていた縁続きで、ゴルフ場は会長が再生事業を手がけたことが始まりに、健康増進のためにと続きます。

条件や買取価格がいい話がきても「誰にでもできるなら、やらない」とお断り。シャトレーゼが工夫して価値をつけることが世の中やその地域にとってプラスになるならやるけれど、それがないなら、やらない。世の中のためになるかが、判断基準です。

 

急務の課題が、デジタル化。
これはコロナ禍で仕方ない事ですね。

 

何があっても「お客様第一」で、「三喜経営」を貫いている。利己的ではなく、利他的な発想から結果がついてくる。


強すぎます、すごいですね。そして面白い、読んでいて楽しい。最後に笑ったもんが勝ち、高齢ですがまだまだ終わりはありません。安かろう悪かろうを打破してくれたのがシャトレーゼなのですね。弱者の味方で永久的に居続けてほしいと願います。

 

おいしくてお安いものを、ありがとう。